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【4日目・レポート】防災会議より愛をこめて 11

English translation will be available shortly.

 

さまざまな参加者の声を集めてきたこのコーナー。
はじめは「誰に声をかけようかな」と緊張していました。
しかし、いざ声をかけてみると、快く取材に応じてくださる人が多くて驚いています。
残りの2日間も、スケッチブックを片手に街中を駆け回りたいと思いますので、
どうぞよろしくお願いします!

 

今回訪れたのは、私たちの取材拠点となっている市民活動サポートセンターから
徒歩2分ほどの「ぶらんどーむ一番町」。
アーケードが掛る歩行者天国の通りでは、「被災地とともに考える防災展」が開催されていました。
被災前・被災後を比較した航空写真や、津波の被害に遭った沿岸部を3D立体視できるパネルなどがあり、河北新報社の記事も展示されていました。

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足を止め、あの日に思いを馳せるように展示を眺める人たちの姿が印象的でした。

 

まず声をかけたのは、会場スタッフの相澤七瀬(あいかわ・ななせ)さん(19)と、
佐々木ひかり(ささき・ひかり)さん(22)。

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「風化させない!」と書いてくれたのは七瀬さん。
ブースを訪れた皆さんに、丁寧に接する姿が素敵でした。

カラフルな色使いで「仙台と世界の架け橋になりたい!!」と書いてくれたのは、佐々木さん。
オーストラリアに留学していた経験を生かして、通訳ボランティアとして活躍していました。

 展示の解説だけでなく、道を尋ねられることも多かったそうです。
 防災会議のために仙台を訪れた人が、会議に参加するだけでなく、
 仙台の街自体にも興味を持ってくれるのは嬉しいことですね。

 

震災報道のパネルをひときわ熱心に見ていたのは、
立教大3年の大山稜(おおやま・りょう)さん(21)。
選んだ言葉は「東北を魅せる!!」。

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震災直後は仙台に住んでいましたが、大学進学とともに上京。
東京で「仙台出身です」と自己紹介すると、
必ずと言っていいほど「震災のとき大丈夫だった?」と尋ねられ、戸惑ったと言います。
「被災した負のイメージだけではなく、仙台のよいところも知ってほしい」と、
この言葉を選んだそうです。

 「震災」のイメージで塗り固められた故郷をストレートにアピールしても、
 遠く離れた東京では、本当の魅力がどこまで伝わるかは分からない。
 東京で暮らす中で、被災地と首都圏の間に温度差があるのは
 「仕方のないこと」と考えを改め、受け入れるようになったと言います。

大きな被害は免れた自分に、被災地や東北を背負う発言はできないにしても、
身近な人には、東北の魅力、仙台の素晴らしさを伝えたい─。
願いを込めてのメッセージでした。

(記事担当)
東北大4年 國井弥卯
山形大4年 高橋萌絵
東北大4年 大高志織