カテゴリー:5日目(3/18)レポート

【5日目・レポート】裏方さん出番です⑤ 市民の市民による市民のための情報発信 市民ライター

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 主婦、定年退職者、NPO職員-。普段は「市民」として生活する人が、「記者」として情報を発信する。そんな情報発信ボランティア「市民ライター」は、市民目線から国連防災世界会議の様子を、日々伝え続けてきた。

 会議の期間中、「市民協働と防災」テーマ館になった仙台市市民活動サポートセンターでは、4人の市民ライターがマスメディアでは取り上げきれない会議の詳細や、来場者の声を取材してきた。市民ライターの一人で多賀城市の主婦、山田和佳子(やまだ・わかこ)さん(38)は、サポセンの催しを事前に紹介する記事や当日の様子を伝える記事の執筆者として活躍。防災エンスショーや楽校ネットなどを取材した。
 「自分たちで命を守ろうとする市民の声を、自分の文章を通じて伝えたい」と、ボランティアとして活動しようと思った動機を語る。

【朝から市民活動サポートセンターで働く山田和佳子さん】

【朝から市民活動サポートセンターで働く山田和佳子さん】

 

15日に行われた防災エンスショーで、科学実験サイエンスショーを実演した阿部清人(あべ・きよと)さんとは、会議開会前の10日に会って話を聞いた。ショーの開催者、ラジオ局「fmいずみ」のアナウンサーなど、多くの顔を持つ阿部さんを、どういう切り口で紹介するか。記者の腕の見せ所だ。

 話す相手の表情を観察する。質問の仕方を工夫して、胸の奥にある「思い」を聞き出す。自分が五感で感じた「阿部清人」を記事に落とし込んだ。完成した原稿は13日に「マチノワ」のブログに、14日には河北新報オンラインコミュニティーの「河北×サポセン 市民ライター講座」のブログに掲載された。

 「取材をする度に、『人ってすごいんだな』と感動する」と笑う山田さん。記事には、書き手の人柄が滲み出ている。

 今回参加した市民ライターは、2014年度にサポセンで開かれた「市民ライター講座」の受講者だ。「文章を書いて何かを伝えたい」という思いを抱えた人が、取材の仕方、記事の書き方などを学んだ。講座修了後、空いている時間を使って住んでいる街や市民活動などを取材、発信をしている参加者も少なくない。 

 

【取材内容をまとめるためにパソコンと向かい合う山田さん】

【取材内容をまとめるためにパソコンと向かい合う山田さん】

 山田さんは取材を通じて「会議に来ている人がそれぞれの立場で、災害から命を守ることについて真剣に考えていて『世の中捨てたものじゃない』と感じた」という。人に何かを伝えるだけでなく、自分自身も成長できるのが、市民ライターの醍醐味(だいごみ)だ。

 マスメディアは、世の中の大きな流れに光を当てる。大きな流れは、身近にある小さな流れの集合でもある。この小さな流れに光を当て、見えてくる思いを伝えているのが市民ライターだ。
 「ボランティアの中にも熱い思いを持った若者がいた。こういう人がいることを、しっかり発信していかないと」。笑顔で話す山田さんは、パソコンに向かうと真剣な表情でキーボードを叩きはじめた。

 

(記事担当)
明治大学3年 若井琢水(わかい・たくみ)

 

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【5日目・レポート】ネットによる減災を考える

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インターネットを減災に役立てる方策を考えるシンポジウムが18日、
仙台市青葉区の仙台市民会館大ホールで開かれた。
テーマは、そのまま「コミュニティとインターネットによる減災の未来」。
気象予報会社「ウェザーニューズ」(千葉市)が主催した。

日本のネット社会をけん引してきた実業家・堀江貴文(ほりえ・たかぶみ)さん、
人気動画サービス「ニコニコ動画」を運営する
「ニワンゴ」社長の杉本誠司(すぎもと・せいじ)さん、
NHKネット報道部の山下和彦(やました・かずひこ)さんら5人が登壇。
ネットの防災に関するそれぞれの自論を披露した。

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ネットに関するシンポらしく、会場の様子は「ニコニコ動画」や「Youtube」で生中継された。視聴者は常時8000人前後を数え、サイトには感想など多くのコメントが寄せられた。

 

東日本大震災では、携帯電話やスマートホンで気軽に投稿・閲覧ができる
Twitter(ツイッター)やFacebook(フェイスブック)といった
SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)が、
災害の実情や避難所の場所など、多くの情報発信と受信を可能にした。

最大の特徴は、情報の発信源が個人の投稿が主流で、
旧来情報を独善してきたテレビや新聞が把握しきれない情報も行き交った。

山下さんは「新聞・テレビなどの公共のメディアよりも、
いまやSNSが人々の日常に密接している。
SNSを介したネットワークを、防災に役立てる必要性を感じている」と語った。

一般のネットユーザーの投稿が力を発揮した例としては
2014年12月、大雪の影響でJR仙山線の列車が
宮城─山形県境の山中で立ち往生した事案を挙げた。

多くの乗客が8時間も車内に閉じ込められたにも関わらず、
テレビなどの取材記者は現場に近づけず、
被害の実態や乗客の様子などを伝えることができなかった。

一方、乗車していたネットユーザーは、
車内外の状況を写真に撮り、ツイッターなどで発信。
安否確認や現場の状況をリアルタイムで周知することに役立った。

堀江さんは
「災害時、被害などを伝える写真や状況を説明する一言を、
位置情報を添えてSNSに投稿すれば、
有効な防災情報や支援のヒントになりうる」と強調。

有事の際だけでなく平時から、気軽に写真や文章を投稿することが、
「いざという時に役立つ」と登壇者は口をそろえた。

誰もが手軽に情報発信をできる時代になったその陰で、
膨大な未整理の情報は、誤解や混乱の元凶になりかねない。

そうした危機感から堀江さんは「無数の情報を集約し整理して、
有効な情報に変えていくシステムを構築することが、
より多くの人を助けることにつながる」と問題提起した。

 

取材担当
東北学院大3年 小林奈央(こばやし・なお)
立命館大2年 亀井文輝(かめい・ふみき)

 

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Report on the 5th Day: Citizens’ Participation Indispensable in Strengthening of DRR

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The five-day United Nations World Conference for Disaster Risk Reduction culminated in the General Forum, “DRR and Recovery Supported by Civil Society”, on 18th March at the Hagi Hall, Kawauchi Campus of Tohoku University, Aoba ward in Sendai City. The main aim is to share the contents of the discussions made at the public forums that took place at various venues in the city and the Sendai International Center where the main event was held. At the forum, we reflected over the meaning of organizing this event in Sendai, which suffered during the Great East Japan Earthquake, what we have done so far, and what beholds in the future for the local governments and civil society from the perspective of DRR.

 

The forum was divided into three parts- the second part included a panel discussion with the theme “DRR and Recovery Supported by the Civil Society”. The panelists included four people who were involved in the management of the two thematic pavilions- “Women and DRR” and “Civil Society Collaboration and DRR”. 

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Emiko Munakata, director of NPO Equal Net Sendai, spoke about the importance of incorporating gender equality into DRR at the thematic pavilion “Women and DRR”. She emphasized, “We must not underestimate the capabilities of women, as a relief supporter during a disaster. We need to provide space for women to unleash this power.”

Yaeko Kisu, director of Sendai Gender Equal Opportunity Foundation, mentioned that 17 out of 34 of the guest speakers at the five symposiums in the thematic pavilion were victims of the disaster. She emphasized our responsibility to pass on these “fresh voices” from the victims with firsthand experiences.

Naoki Ishizuka from the Miyagi Cooperative Reconstruction Center was involved in the “Civil Society Collaboration and DRR” thematic pavilion. He shared both success and failure stories of attempted collaboration between exhibitors and the citizens, though he insisted that it was a great opportunity for both parties to be able to communicate from close distance.

Shigehiro Goda from the Secretariat Office of JCC 2015 organized the Global Conference on DRR for Civil Society, which included 10 sessions initiated by the civil society. He affirmed the success of the public forum by mentioning how more than 150,000 people turned up for the public forum although the number was estimated to be 40,000 at first.

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“Passing on is a Japanese tradition”. This phrase left a deep impression.
Even painful memories of the disasters will be shared and passed on.
This is to assert the importance of “preparedness” to our next generations.
Many stories and experiences were shared over the five days.
With this message in mind, every participant will take up the shared responsibility of the society to take action towards the future.

 

Reporters
Saki Miura, 2nd Year at Yamagata University
Rio Suzuki, 2nd Year at Yamagata University
Yu Goto, 3rd Year at Ibaraki University

 

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