カテゴリー:1日目(3/14)レポート

【1日目・レポート】人と地域に元気を/NPO法人生活習慣改善センター

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マザー・テレサ展「愛は微笑みから…」を仙台縁日で開催しているNPO法人・生活習慣改善センターが14日、仙台市市民活動サポートセンターでトークイベントを行なった。

生活習慣改善センターは、震災後に避難所や仮設住宅に赴き、食や生活の支援を行ってきた。理事長の冨澤伊勢雄(とみざわ・いせお)さんはその時、仮設住宅の住民に交流が少なく、みんなが暗いと感じたという。そこで、みんなが名前で呼び合えるよう名簿を作った。そして、編み物などモノづくりの教室、味の素と連携した料理教室、笑いヨガなど、笑顔を取り戻すための催しを行なってきた。しかし、4年たった今も、前向きになれずに暗い人々がいるという。

冨澤さんは「被災によって失われたものはあまりにも大きかった。今、一番考えるべきことは心のケアだ」と、マザー・テレサ展を開催した目的を語った。

今回のトークイベントでは、冨澤さんが震災における活動を報告し、マザー・テレサの言葉とイラストが楽しめる日めくりカレンダーを紹介した。31種の言葉を繰り返し読むことによって、自分の心に響く言葉を見つけられるという。冨澤さんは「言葉にはとても力がある。マザー・テレサの言葉を通して、夢や希望を描いてもらいたい。さらに夢や希望を繰り返し言葉に発することで、前を向き元気になってもらいたい」と話す。

 

とみざわ

 

イベントに参加した高砂一丁目公園仮設住宅自治会長の佐藤政信(さとう・まさのぶ)さんは「マザー・テレサは素晴らしい人。言葉に元気をもらえそう」。また、「冨澤さんをはじめ、ボランティアの皆さんには大変お世話になった。恩返しをしていきたい」と語った。

冨澤さんは「まだまだこれから。『人と地域を元気に』をテーマに活動を続けていきたい」と話した。

マザー・テレサ展「愛は微笑みから…」は、クリスロード商店街の仙台縁日にて18日まで開催中。やさしく愛情深いマザー・テレサの言葉にぜひ触れてほしい。

 

とみざわ2

 

【イベント情報】

●パブリックフォーラム「市民協働と防災」テーマ館

展示:マザー・テレサ展「愛は微笑みから」

日時:3/14(土)~3/17(火)

場所:仙台市市民活動サポートセンター 3F研修室2

問い合わせ先:生活習慣改善センター 事務局 080-3149-8452

●マザー・テレサ展「愛は微笑みから…」

マザー・テレサの写真展、言葉展

日時:3/6(金)~3/18(水)10:30~18:00

場所:仙台縁日(仙台市青葉区中央2-1-18 クリスロード商店街内)

問い合わせ先:仙台縁日 022-714-3055

(記事担当)
市民ライター 安藤綾香(あんどう・あやか)

【1日目・レポート】市民防災世界会議始まる

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国連防災世界会議の期間中、「市民協働と防災」テーマ館となる仙台市市民活動サポートセンターで14日、「市民防災世界会議」が始まった。100以上の団体による市民ネットワーク「2015防災世界会議日本CSOネットワーク」が企画運営し、世界各国の要人が参加する国連防災世界会議の本会議に対し、市民同士が防災を学び合う場になる。

 14日は「世界と防災」をテーマに三つのセッションを行った。最初のセッションは「市民防災世界会議オリエンテーション」。10年ぶりに開催される「国連防災世界会議」の全体像や、楽しみ方を紹介した。

司会を務めた、ピースボート災害ボランティアセンター理事の合田茂広(ごうだ・しげひろ)さんは「皆さんにメッセージがあります。一つは、自分に興味のあるイベントに参加をして、具体的にできることを見つけてほしいです。もう一つは、友達を増やしてほしいと考えています」と訴えた。

 

【オリエンテーションの様子】

【オリエンテーションの様子】

 

続いて行われたのは「2015年開発・環境・防災が出会う年」。2015年は「貧困と開発」「環境と持続可能な社会」「防災」の三つの国際的な指針が見直される。セッションには各分野の専門家らが登壇し、それぞれの立場から現状などを訴えた。気候変動と災害、開発の関わりなどについて言及した「アクションエイド」のハルジート・シンさんは「日本のように災害に対して意識の高い国が、災害を深刻に考えていない地域などに対し、強く訴えていくべきだ」と主張した。その後、今後の市民防災の在り方を考えるセッション「防災・減災をシフトする。」も行われた。

 

【「2015年開発・環境・防災が出会う年」の様子】

【「2015年開発・環境・防災が出会う年」の様子】

 

市民防災世界会議は17日まで。15、16日はそれぞれ、テーマに沿って三つのセッションを行う。17日は、会場を東京エレクトロンホール宮城に移し、午後1時からメーンイベントを実施。シンポジウムのほか、太鼓や鹿踊りなどの伝統芸能、合唱やダンスなども楽しめる。

 

(記事担当)

福島大4年 藤江高寛

 

 

【1日目・レポート】防災会議より愛を込めて 3

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会議の来場者、登壇者らの声を届ける「防災会議から愛を込めて」の第3弾です!

まず最初に、自身の辛い体験を「語る」「伝える」ということを
被災間もなくから続けてきた人です。

震災前は、名取市閖上で暮らしていた丹野裕子さん(46)です。
いまは津波被災地の案内人、語り部として活躍しています。

メッセージボードに記してくれたのは、
「息子が「命」の大切さを教えてくれました。ここから。これから。公太の母」

3-1
丹野さんは震災の津波で、長男の公太君=当時(13)=を失いました。
 悲嘆にくれる日々が続きましたが、「同じような(悲しい)思いはしてほしくない」と一念発起。
語り部としての活動を始めました。
 悲しみを乗り越え、世の中のために身を削って語り続ける人ならではの
強いメッセージを感じました。

 

 

 

「常に前向きに生きよう 備えが大切」と記したのは、
宮城県出身というモリヤさん、67歳です。

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「あれから4年が経った今、仙台で何を取り組んでいるのか興味があった。この目で確かめたかった」
そう思い、国連防災世界会議を訪れ、様々なセッションを覗いているそうです。
あくなき探究心、向上心の大切さを教えられた気がしました。

 

 

「小さな出来ることが集まれば大きな輪に」

小森真一郎さん(37)は山形県からした会社員です。

3-3

人はそれぞれに生活があり、仕事などで自由になる時間が少ない人も多いです。
ボランティアなどとして、被災地に関わろうとしても、
 取り組みを継続することは一筋縄ではいきません。
 

「私は会社員だから平日は被災地に関わることはできないです。
だから、時間が許すときこそは被災地に行って目で見て、耳で聞いて、
 心で感じることが大事だと思っています」

その上で小森さんは、「でも、それだけが出来ることではないんです」と言葉を続けました。

「私にできることと、貴方にできることは、違います。一人ひとり、出来ることがあるんです」

一人ひとりにできることはちっぽけでも、
 一人ひとりの行いが積み重なれば、それは大きな輪となって
被災地を支える力になる─。
そんな含蓄のある言葉でした。

 

 

東京で会社を経営している 奥田建蔵さん(55)は
「今日の出会いが防災の未来につながる」と書いてくれました。
3-4

コミュニケーションや広告の力は、
 防災に役立てることができると考えている奥田さんは、
「東京で暮らす自分たちは国連防災会議で学ぶことが多くあるのではないか」
と仙台にまで足を運んで、会議に参加したそうです。

「ここで学んだことを、東京での防災活動に生かしていきたい」

 理念だけでなく実践が大切であることを、奥田さんは身をもって示していました。

 

 

ガッツポーズが印象的な寺下昇希さん(19)は兵庫県立大の学生であり、
 「Children&Youth Form 日本ユース企画 国際ボランティア学生協会」のメンバーです。
 今回は登壇する団体の一員として、仙台にやってきました。

「若者が今後の防災について考える」という力強い一言を、元気あるれる筆致で記してくれました。

3-5

大学で防災の講義を受けて関心が高まり、
 今の団体の門を叩いたという寺島さんの意気込みは
 ちょっと飛躍的ですが(笑)、「安倍(総理)と話してやる。頑張ろうニッポン」。

各国が集まる防災会議で発表する機会を得た19歳の青年は、
 熱い思いを胸に、明日15日の出番に臨みます。

 

(記事担当)
法政大3年 阿部絢美(あべ・あやみ)

東北大4年 大高志織(おおたか・しおり)